ベテラン看護師だからこそ、転職先探しはとことん理想を突き詰めたい!
公開:2017/09/20
[転職]こんにちは!Kaorunです。いつもお仕事お疲れ様です!
さて、今回はベテラン看護師についてがテーマです。
「今まで積み上げた経験を無駄にしたくない」「より働きやすく、より私の知識に見合った収入が欲しい」「仕事はほどほどに、そろそろ楽がしたい」などなど・・・。
看護のノウハウを知り尽くしたベテラン看護師が望む、理想の転職先ってどんな所なのでしょうか?
人気の転職先を徹底分析します!
ベテラン看護師ってホントに凄い!転職とは一番遠い存在に思えるけど……。
世の中で、「ベテラン看護師」と言われて、「は~い、私がベテラン看護師です!」と堂々と手を挙げる人は少ないと思います。
そもそも何を持ってベテラン看護師と呼ぶのか?その定義は様々です。
現場の即戦力で、イレギュラーな対応でもスムーズにできる、後輩の教育や指導もきちんとできて、他の看護師のお手本にもなる。
そんなベテランとしての役目を果たす「看護師の鏡」のような人をイメージするのではないでしょうか。
ですが、ベテラン看護師の定義となると、その経験年数だけでは区切ることが出来ません。当然の事ながら、その技術の習得度や能力値に個人差があるからです。
看護習熟度からベテラン看護師を定義するとなると、「看護論」を日本に普及させたアメリカのベナー博士の「ステージ5:達人」の領域にある看護師をイメージする人が多いのではないでしょうか?
ベテランの前に…まず中堅看護師のことを知っておきましょう
まず、ベテラン看護師を語る前に知っておかなければならないのが中堅看護師です。
ベナー博士によれば、中堅看護師の定義とはその臨床能力が「全体を見ながら最も重要な部分に焦点化して関わり、その場の状況を患者にとってよりよい方向へと導くことができることである」としています。
要するに、中堅看護師は後輩への指導やリーダーとしての役割が担え、看護の質を支える重要なポジションに立っている看護師ということになります。
何年目が中堅看護師に当たるかを経験年数で言うと、やはり5年~19年とかなりの幅があるようですね。一般的にはこの中堅看護師とベテラン看護師を混同してイメージする方が多いようです。
じゃあ、ベテラン看護師はそれ以上の能力を持っているの?
そして本題のベテラン看護師についてです。ベナー博士の定義では達人(ベテラン)とは「状況を理解して適切な行動と結び付けていく際に、もはや分析的な原則(ルール、ガイドライン、格率には頼らない」としています。
既に背後に豊富な経験があるので、二者択一的診断や決定についても、状況を的確に把握して、問題に対して正確に狙いを定めることの出来る看護師を言います。
専門看護師や認定看護師など、スペシャリストナースとして活躍をしていたり、既に管理職に就いている方などもいますね。
まさに「看護師ピラミッドの頂点部分にいる存在」というイメージです。
まさに経験豊富な看護のプロ
ベテランの看護師は、知識や経験に裏付けされた「勘」が優れています。
患者さんの表情を見ただけで、少し会話をしただけで「あれ?もしかしたら?」と異常を早期に感じ取ります。
中には医師でさえ驚くほどの観察眼で病気の可能性を見抜く人もいます。まさに熟練された看護師の技ですね。
良く先輩ナースが後輩に「見て盗め」という言葉を使いますが、新人ナースたちはこのベテランナースの行動を見ても、どうしてそういう行動に出ているのか全く理解できないと言います。
ベナー博士ですら、「達人の実践内容を掴むことは簡単ではない。なぜなら、達人は、全体状況を深く判断したうえで動くからである」と言っています。
要するにベテラン看護師の熟練技には定義が付けられないほど凄いということですね。
私もまったく同意見です。卓越した熟練技を持つ神ナースの行動なんて、他の人には分かるはずありませんもの。
ベテラン看護師の人並み外れた予測力
私が今まで凄いなぁと思ったベテラン看護師は、患者さんの臭い(口臭や体臭など)で今の状態を把握できる人でした。
腎機能や肝機能が低下すると、独特の体臭がするらしく、便臭や尿臭で感染症も言い当てたりするんですね。
意識を失い倒れている患者さんの傍に行っただけで、意識消失の原因を予測して素早く行動するので、良く医師が「○○さんがいたから助かったようなもんだよね……」としきりに感心していたのを覚えています。
全てのベテラン看護師がこういう人ばかりではありませんが、大なり小なり卓越した技があるのは事実です。ただその事実にベテラン看護師自体が気付いていないだけなのかもしれません。
ベテラン看護師の役割って何?
そんなベテラン看護師は、いつも笑顔を絶やさず、後輩のお手本となり、技術面でも精神面でも後輩をフォローし、指導をしていかなければなりません。
また自分で処理した方が簡単だと思える案件でも、あえて中堅看護師に任せ、成功を褒めることで彼女たちのモチベーションを上げてやらなければなりません。
「私もああいう看護師になりたい」と思える後輩の道しるべになることが、ベテラン看護師の役割とも言えるでしょう。
……まぁ、正直そこまで期待されてしまうと、期待された方は大変ですよね。事実、ベテラン看護師の方はその期待をプレッシャーに感じて、転職を考えるようになうそうですよ。
ここでちょっとだけ豆知識……ベナー博士について
ベテラン看護師を語る時、ベナー博士の「看護論~達人ナースの卓越性とパワー~」という本は必須です。ベテラン看護師について凄く具体的に書かれている貴重な本です。
パトリシア・ベナー博士は、前カルフォルニア大学サンフランシスコ校看護部生理学的看護学科教授で、看護理論の世界的権威です。
どうしても経験年数や感覚にたよりがちな看護師の能力値について、「臨床技能的習得の段階化に関する理論」という看護論で理論的な説明を可能にしてくれた方です(看護業界ではいわば神!)。
このベナー博士の看護論に基づいてキャリアラダーを作成したという病院も多いはずです。
2017年10月に来日ということで日本の看護業界を沸かせているのですが……この講演料がめちゃ高い!
部長に言わせると「あら、ベナー博士のお話が聞けるなら、こんなの安いもんよ?」という事だが、一般ナースにはちょっとハードルが高いのでは?と感じてしまいます。
まぁ、それだけ凄い先生と言う事ですね。ベナー博士の看護論は、自分の進む方向を見失っている中堅以上の看護師には、是非お勧めしたい一冊です。
ベテラン看護師だって大変なんです……転職だってしたくなる
長い間、様々な苦難を乗り越え、己のスキルを磨き続けてきたベテラン看護師でも、心の中では色々と考えています。
「どうして?そんなにテキパキと何でも出来るのに、転職なんて考えるの?」と不思議に思う方も多いはずです。
でも、ベテラン看護師にだってそれなりの悩みはあるんですね。
ベテラン看護師は聖徳太子並み?! 黙っていても複数の会話が頭に入ってきている
どんな難しい業務でも、それなりに卒なくこなせてしまうベテラン看護師。まさに新人看護師にとっては憧れです。
そんなベテラン看護師には周囲の様々な状況が、良い所も悪い所も全部見えてしまっています。意識してはいないのに、周囲での出来事や会話が複数同時に頭の中に入ってきていて、記憶の引き出しに自然に仕舞い込まれています。
何かが起きた時に、「そういえば……あの時、〇〇さんがあんな事言ってたな」と思い出されて、次の行動の参考にすることが出来るのです。凄いですよね。でもそれ故に、表現し難い様々なストレスがベテラン看護師の中に生れます。
「もっとこうすれば上手くいくのに」「そこはそうじゃないんだけどな」という不満レベルのものかもしれませんが、それも積もれば結構なストレスです。
勿論、ベテランクラスの看護師であれば、不満に思ったことを上手に相手に伝えたりもしますが、病院や組織の問題など、指摘しても簡単に変えようのないものに関してはどんどんストレスが溜まりがちです。
ベテラン故の悩み……周囲からの期待とプレッシャー
加えて後輩や上司からは「この人に頼めば何とかしてもらえはず」という妙な期待を持たれてしまうので、そんな様々なしがらみから逃げたいという感情も、ベテランになると湧き上がってくるんですね。
若い頃のようにはいかない……体力と気力の衰え
看護師になってから10年以上が経過し、気付けばいつの間にか40代……ベテラン看護師も、気付けば中年と呼ばれる年代に突入です。
体力も夜勤明けで寝ずに買い物に出かけられた若い頃とは違う……そんな自覚が自分の中で芽生えてきます。加えて子育てと家事の両立に疲れを感じたり、自身の親や配偶者の親の介護の必要性などもそろそろ出てくる時期です。
体力ではまだ若い子に負けないつもりだったけど、この頃本当に疲れやすい、気力が衰えたと感じることも……。そんな時ふと、自分はこのままで良いのかという疑問が生まれてくるんですね。
そろそろ自分の将来について現実的に考えなければいけないと思いだす
近い将来に訪れるであろう定年退職。その時自分はどうあるべきなのか?まだ具体的ではないにしろ、漠然とした不安が頭をよぎるようになります。
このまま忙しい病棟でやっていけるのか、はたまた、年をとっても自分自身を自慢できる専門的な知識を身につけるべきではないか?……など、理由はきっと様々でしょう。そんな時、目の前に「転職」という二文字がチラつきだします。
自身のスキルアップ
また、先に述べた理由とは逆に、子育てが落ち着いてきたから、そろそろ本格的に何かを学びたいと考える人も出てきます。
スキルを磨いて専門性を高めたいのなら、機能分化された専門病院などに行きたいと考える人もいるでしょう。以前からやりたかった科に移って、違う分野で働いてみたいと思う人も出てきます。
とにかく、今度はこんな病院、あんな施設と様々な欲求が出てくる頃でもありますね。
そんなベテラン看護師が転職の際にこだわる条件とは?
では、具体的にベテラン看護師が転職を考えた時にこだわるポイントは、一体どういうものでしょうか?
1.収入が多い
やはり自分のスキルや仕事内容をしっかり評価してくれて、それに見合った収入を提示してくれる施設に移りたいというのが本音です。
家庭でも子供の教育費や親の介護などでどんどんお金はかかりますから、同じ転職するのなら、少しでも収入が多い転職先を探したいのです。
2.福利厚生が充実している
ベテラン看護師になると、やはり転職先の福利厚生は気になるようで、住宅補助や資格手当の有無、社員食堂の設置や食事補助はあるのか、人間ドックや健康診断が充実しているか、育児休暇や介護休暇などの休暇制度はきちんとあるのか……等が転職時の判断材料になります。
3.職員の定着率が高い
職員の定着率が高い施設は様々な意味で環境が整っていて、職員が働きやすい職場という事です。
職員がコロコロと入れ替わる所はやはりそれなりに「ブラック」と呼ばれる場所が多く、スタッフが次々と入れ替わればその分業務負担も多くなります。
誰も好き好んで転職をしたい訳じゃなのですから、やはり将来的な事も考えると、仕事がしやすい職場環境に移りたいですよね。
4.休日が多い
心と体をしっかり休め、効率良く仕事をするためにはやはり休日が必要です。
若い頃に比べて夜勤の後の疲れも回復しづらい、仕事の後の疲れがなかなか取れないという人も多くなってきます。
また休日は家族の用事だったり何かと出かける機会も多いので、自分の体をゆっくり休めてリフレッシュする時間はどうしても必要なんですね。
5.専門性が高い
ベテラン看護師ぐらいになると、経験値も高いのでオールマイティに患者さんの全身状態を観ることが出来るようになります。
ですから、逆に専門性の高い職場で自分の持ち味を生かしたいと考えている人が意外に多いようです。
以前に比べて看護師の仕事もどんどん細分化されて専門性が高くなってきていますので、さらに自分の価値観を高めたいと考えるんでしょうね。
やはり若い看護師とは違い、転職時に求めるものも大きくなるようです。
ベテラン看護師が転職を考えた際に支障となるのは……実は高額なお給料?!
ベテラン看護師と聞いたら、どの職場でももろ手を挙げて大歓迎しそうですよね。
仕事を辞めてもすぐに次の転職先が決まりそうです。ところが、実はそう簡単にいかないのが現実なんです……。
ベテラン看護師は高給与……だから雇用側は二の足を踏む
ベテラン看護師の場合、勤続年数も多くなり、その分年俸が高い人が殆どです。
年収500万~700万円は下らず、中にはそれ以上の方もいます。
要するにベテラン看護師1人分のお給料で、新人看護師を2人雇える場合もある訳です。
そう考えると、病院側としてはベテラン看護師を雇うより、即戦力の若いナースを2人雇った方が良いと考えるのは当然ではないでしょうか?
看護部はともかく、人事部は看護基準確保しか頭にありません。その質よりも頭数を揃えることを目的にしています。
ですからベテラン看護師の高い給与が、転職の際の障害になることも多いんですね。
年齢制限がある場合も……。
看護師を募集する場合、ほとんどの場合は年齢不問ですが、逆に病床数の多い大きな病院では採用条件を35歳ぐらいまでと年齢を区切って募集する場合もあります。
それは救急患者を扱ったり、重症患者を扱う際に体力が要るから……という理由です。
確かに夜勤で走り回っていなければならない病棟では、体力的に無理があるからかもしれません。
加えて女性の場合、年齢的に更年期症状や腰痛などが出やすくなってくるので、体調不良で休まれると困るという理由もあるようです。
ベテラン看護師を求めている職場は、スタッフが少なくて、オールマイティに仕事をこなしてくれる人材が欲しいという、訪問看護ステーションやクリニックが多いようです。
自分の専門性を売りにすれば、高待遇で雇用してくれる職場もある
専門看護師資格や認定資格などを保有しているベテラン看護師については、少しぐらい年齢が高くても、高待遇で雇いたいという病院は多くあります。
もちろんそれは、スタッフ教育をしてもらったり、管理職に就いてもらう事を見越した採用であることが殆どです。もちろんやりがいはありますが、大変な事も覚悟はしておいた方がいいですね。
ベテラン看護師の転職には転職サイトを利用すると良い
それじゃあ、ベテラン看護師が希望する、「お給料が多い職場」や「福利厚生がしっかりしている職場」、「休日が多く」「定職率の高い職場」「専門性の高い職場」になんて、どうやったら転職できるの?!……無理じゃない!と思ってしまいますよね?
そういう時こそ転職サイトの転職コンサルタントに相談してください。
ハローワークやナースセンターでは専門看護師を募集していることもありますが、件数はどうしても少ないですし、お給料に関してもどうしても安くなってしまいます。
その点、転職コンサルタントなら、ベテラン看護師のセールスポイントを熟知していて、病院などの職場側にヒアリングもしていますので、ベテラン看護師の希望する条件と施設側の条件を上手くマッチングしてくれます。
肝心のお給料交渉もとても上手にしてくれますので、とても安心して任せられます。
看護業界にとって、とても重要な人材であるベテラン看護師の転職は、やはり失敗して欲しくありません。転職で後悔しないためにも、是非転職コンサルタントに相談をしてみて下さいね。
参考文献:パトリシアベナー著 「ベナー 看護論 達人ナースの卓越性とパワー」
訳 井部俊子・井村真澄・上泉和子
医学書院 発行 1992年6月15日第一版第一刷 1996年11月1日第一版第5刷
(参考までに……こういうサイトもあります↓↓
http://www.ict.ne.jp/~i_camu/sub17.htm ベナーの看護論)
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執筆者情報
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