看護師が精神科へ転職する際に失敗しないための法則
更新:2024/01/16
[転職]こんにちは!Kaorunです。いつもお仕事お疲れ様です!看護師が精神科へ転職するとしたらどうすればいいの?……いざ転職してみたらこんなはずじゃなかったと後悔しないために、失敗しないノウハウを丁寧にお教えしちゃいます!
看護師が精神科へ転職したら、何か良い事あるの?
皆さんは、精神科と言うとどのようなイメージをお持ちでしょうか?「仕事が楽そう」とか「現場をリタイアしたオバサンナースばかり居そう」というイメージがある反面、「騒いだり自殺しようとしたり、手に負えない患者ばかりで大変そう」というイメージもあるかと思います。
実は、精神科はとても奥が深く、とても一長一短で語れる科ではありません。一度は精神科に勤務したものの、精神科が性に合わずに辞めた看護師が、精神科の事をあまり良く言っていない事も知っています。「じゃあ、看護師が精神科に転職したら、何か良いことあるの?」……というその疑問に、精神科分野に強いリンクナースがお答えして参りましょう。
精神を患う人が、どんどん、うなぎ上りに増えている
精神疾患と言えば、昔は精神分裂病と言われた統合失調症、うつ病、双極性障害(躁鬱病)、解離性障害、睡眠障害、摂食障害、適応障害、パーソナリティ障害、発達障害、パニック障害や不安障害、アルコール依存症、薬物依存症、PTSD、てんかん、認知症……等々、本当に沢山あります。
これらの精神疾患に罹患している患者様は、厚生労働省の調査によると、1999年の推計患者数(医療機関にかかっている患者数)が204.1万人でしたが、2008年には323.3万人と急増しています。
わずか10年ほどで1.6倍にも増えていて、精神疾患で医療機関を利用している人だけでも40人に1人いるわけです。医療機関にまだ通院していない人を入れたら、一体どれだけの数になるのか……考えただけでも恐ろしい状況に陥っているのです。
精神科の看護師求人はいつも多い
これだけ患者数が増えているという事は、当然看護師の需要も増えています。精神科の看護師求人は東京や大阪が多く、特に東京には大変大きな精神科の病院があり、都心なのに、病棟間の異動に自転車を使用するほどの広い敷地を有しているほどです。
また八王子や府中には精神科の病院が数多くあり、かなりの入院病床を抱えています。「人間失格」で知られる太宰治が、晩年その精神科病院に入院し入水自殺をした事も有名ですね。
何故か看護師仲間からは疎まれてしまう精神科患者
これは精神科あるあるなのですが、おそらく一般科を経験した人なら、一度は口にしたことがあると思います。「先生!プシュコ(精神科の隠語)は困ります!」、「ダメダメ、あの人S(シゾ=統合失調症)だから!」……と、精神科患者の入院を拒んだり、対応を避けたりしたことはありませんか?
実は、一般科の治療を受ける際に、理解力が乏しかったり強迫神経症などでこだわりが強かったりすると、スムーズに処置が進みません。意味が分からす大声を出したり、点滴を勝手に自分で抜いて血だらけになっていたりと、対応する看護師はそれだけでイライラするわけです。
ですから、一般科で精神科の患者様が治療を受けようと思うと、かなり難しいという現実があります。救急車でたらい回しにされることなんて日常茶飯事で、亡くなってしまう事もしばしば。ですから厚生労働省では、数年前から一般科で精神科の患者を診察すると、それだけで保険請求を多くできるという制度まで設けました。
仕方がないと言えばそれまでなのですが、果たして人道的にそれで良いの?とは思いませんか?
人は未知のものに遭遇すると恐怖を覚える
実は、多くの看護師は精神科患者への対応法を知りません。「妄想は否定しちゃダメ」とか「うつ病のひとは励ましちゃダメ」とか、そんな通り一遍等の知識しかない人が殆どです。要するに精神科の患者様にどう対応していいかが解らないので、不安で怖いんですね。
一般科だろうが何科だろうが、患者様は一人の人間です。別に恐れる事も嫌がる事もないのに、なぜか精神科の患者は嫌がってしまう。これは、看護師の多くが精神科の知識に乏しいからに他なりません。
精神科の知識を学べば怖いものなし
一般的な身体看護の知識を習得し、もう完璧だと思っている看護師もいるでしょう。精神科疾患に興味を持っている人も多いと思います。でも、いざ精神科で働くとなると、何となくイメージが先行してしまって、二の足を踏んでしまってはいませんか?
身体的なケアを一通り学んだら、あとは精神科について学ぶ番です。精神科を経験すると、今まで知らなかったことが沢山勉強できます。私も正直「目からウロコ」な出来事が山のようにありました。今まで対応するのを怖がっていた、精神科の方への対応も知ることが出来ます。ある意味、看護師として『怖いものなし』になれるという訳ですね。
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看護師で精神科へ転職するとしたら、どんな人が向いているの?
それでも、「本当に精神科で働けるのかな?」という不安をお持ちの方に、どういう方が精神科に向いているかを簡単にお話ししましょう。
患者様にじっくりと向き合いたい人
ずっと身体的な看護をしていると、日々の業務の忙しさに追われ、「もっと患者様の話に耳を傾けて、じっくりと看護がしたいのに……」と思う人もいるはずです。でも、患者さんの訴えを聞いているだけで、「仕事もしないで、おしゃべりばかりしてる」と言われてしまい、そう出来ないジレンマに悩んだことはないでしょうか?
精神科の看護は、まず患者様の訴えに耳を傾けるところから始まります。じっくりと話を聞き、その方に合った看護を提供していくことが出来ます。見当識が低下し、自分の体調も上手に伝えられない患者様と接する中で、今まで培ってきた看護観察能力を発揮する事も出来ます。自分の知識やコミュニケーション能力を存分に発揮したい看護師にとっては、実にやりがいのある仕事になるはずです。
精神疾患や心理学に興味がある人
テレビのサスペンスドラマや刑事ドラマなどでも、精神疾患を取り扱っているものを良く見かけます。そういう所から興味を持って精神科で働こうと思う人も実際にいます。
確かにドラマでは精神科の疾患を面白おかしくデフォルメしていますが、実際に学んでみると、そうではないことを実感できます。精神疾患を患う患者様には誰一人として同じ症状の方が居ません。要するにマニュアルの無い疾患なのです。勉強すればするほどその奥の深さを知ることが出来るはずです。
時間にゆとりのある環境で自らのライフワークバランスを立て直したいと考えている方
精神科は、正直に言ってどんなに忙しい急性期でも一般科ほどの残業はありません。慢性期に至ってはほぼ残業が無いに等しいです。精神科の看護は対人関係が主で、自分のメンタルケアも重要になってきますから、お休みはしっかり取れるようになっているのです。
そんな職場でじっくりと患者様のケアに取り組み、自らのライフワークバランスも見直したいという方に、精神科はお勧めです。
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看護師で精神科へ転職したら失敗した?!そんな人の失敗事例を解説!
しかし、実際に働いてみると、精神科も良い所ばかりではありません。「こんなはずじゃなかった」という意見も多く聞かれるのも事実です。
では、どんな人たちが「こんなはずじゃなかった」と思うのか、私が過去に相談を受けた具体的な事例を交え、お話をしてみましょう。
楽だと思って転職したら、とんでもなく忙しかった!
転職前)整形外科
転職後)精神科一般病棟
34歳 女性 看護師歴10年
彼女はオペ室、整形外科と経験をし、毎日手術に追われる忙しい日々から逃れたいと思っていた矢先に、結婚を機に精神科へ転職しました。精神科なら残業も無く、のんびりと仕事が出来ると思っていたようです。
ところが、症状的には急性期に近い方が多い精神科一般病棟に勤務し、わずか1年で退職願いを提出してきました。理由を聞くと、患者様が毎日悲壮な表情で「死にたい」と訴えてきたり、それまでの人生で言われたことの無い暴言を吐かれる毎日に、つくづく嫌になったというのです。
外科系の仕事に慣れていて、シャキシャキしたイメージの人でしたが、想像していた精神科と実際のイメージが、あまりにかけ離れていたのが原因だったようです。結局、数回の面談の結果、彼女は精神科を辞めて一般病院へ戻りました。
ここで解説!精神科の『昔と今』
「精神科は楽」という台詞をよく聞きます。確かに16年以上前は治療が浸透し、穏やかな患者様が多かったので、仕事も比較的楽でした。しかし、それまで多くの患者様に処方されていた精神科の定型薬(クロルプロンマジンやハロペリドール等)は、鎮静効果が強い分副作用も強く、患者様の日常生活に少なからず支障をきたしていました。
ここで2001年頃から続々と非定型薬(2001年にオランザピン、2006年にアリソプラゾール等)が開発され、副作用が少ないということで、どんどん使われるようになってきたのです。副作用が少ないという事は、勿論鎮静効果も少なくなるという事です。患者様には大変良いことかもしれませんが、対応する側にしてみれば真逆ですからね。それはそれは手がかかります。
「静かで楽だって聞いてきたら、毎日ワーギャーワーギャー、一体何なのよ!」と、なってしまうのも無理はないですよね。当然、患者様から職員への暴言や暴力なども、前に比べて増えました。ですから「聞いていた話と違う」となってしまうのは仕方がない事と言えます。「患者さんは皆穏やかで、根はピュアな人ばかり」という精神科神話は、今や昔話です。ある程度の賑やかさは覚悟しておいた方が良いと思いますね。
精神科救急やスーパー救急などはかなり忙しい…忙しすぎてこっちもパニック!
転職前)内科
転職後)精神科救急病棟(急性期)
30歳 女性 看護師歴8年
彼女は内科の悪性リンパ腫や白血病など血液の疾患を抱えた方の対応をしてきたため、検査データなどの知識も豊富で、患者様とのコミュニケーションも上手に取れる方でした。明るく対応も穏やかで、とても患者様からも評判の良かった方です。
しかし、精神科の急性期の治療をする救急病棟は入退院も激しく業務内容も多かったため、彼女は「私がいた内科病棟よりも忙しくて目が回ります。患者さんも陽性症状が激しくて、対応困難な方が多いんで、パニックになります。たまにイライラして患者様に声を荒げたりしてしまって……もう耐えられません……」と訴えてきました。
アルコール中毒や薬物中毒の方も多く入院してきますので、言葉も乱暴な方が多いですし、教育的な指導をしても聞く耳も持ち合わせない方が沢山いらっしゃいますしね。
彼女は精神的にかなり参っていたようで、面談中も感情失禁(終始泣き通し)で、限界だったようです。結果、慢性期の療養病棟に配置換えをしました。その後は明るく働いているようですから、慢性期の看護の方が彼女には向いていたようですね。
ここで解説!精神科救急やスーパー救急の大変さ
精神科救急は、精神科とは言っても、発症したばかりで幻聴や妄想が激しく、自傷他害などの行為が懸念される患者様は急性期治療を受ける事になります。よく家庭や公衆で迷惑な行動をして、警察などに連れてこられる方々も多くいます。
そういう方々に対応するのが精神科救急やスーパー救急なのですが、こちらは一般科の救急外来と大差ないほど賑やかで大忙しです。
何でもバリバリ仕事ができて、「精神科も勉強したいけど慢性期でおっとりと仕事をするのは性に合わない」……と言う方には向いています。毎日が刺激的で、充実した疲労感が味わえます。でも、精神科に『しっかり・じっくりとした看護』を求めて来る方には向いていませんので、注意して下さいね。
慢性期病棟なのに認知症や寝たきりの方ばかり…私は介護士じゃない!
転職前)精神科療養病棟(慢性期・閉鎖)
転職後)総合病院(内科病棟)
33歳 女性 看護師歴10年
こちらは精神科の慢性期の療養病棟で勤務していた女性看護師のケースです。慢性期病棟とはいえ、病床数の1/3が認知症で、1/2が寝たきり、残り1/2の患者様も車いすを使用していたり、何らかの介助が必要な方ばかりの病棟に勤務していました。
もちろん認知症の方は本来精神科へ入院せずに自宅や老人施設で生活するに越したことは無いのですが、職員や家族への暴力行為が酷い、昼夜逆転があり、夜間の徘徊が酷い場合は入院せざるを得ず、この病棟もそういう方が多く入院していました。
「毎日毎日オムツ交換と入浴介助、食事介助や排便コントロールばかり。少し目を離すと廊下や部屋の前で平気で排尿・排便……。毎日下(しも)の世話ばかりでうんざりです。私は介護士じゃないのに、なんでって思います。この間は夫に『お前が帰ってくると臭い』って言われたんですよ?」と憤慨していました。まだ若いのに腰痛も悪化しているとのことで、結局は退職して一般科の総合病院へ転職したようです。
ここで解説!認知症患者の増加が社会問題に!
今現在、日本はものすごいスピードで超高齢化社会へと進んでいる訳ですが、精神科も例外ではなく、認知症の患者様が増えています。認知症であっても、安定していればご家族と一緒に暮らせるのが理想ですが、認知症の方は身近な人(とくに家族)に被害妄想を持ちやすく、その方々が攻撃対象になってしまいます。
毎日毎日「うちのやつらは私に飯も食わせない」とか「こいつが私の金を盗んだんだ!ドロボー!!」と叫んで、警察に電話したりします。酷いのは徘徊で、目を離すとところ構わず何処にでも出て行ってしまい、帰って来れなくなるため、家族は目を離せずに精神的に参ってしまうのです。
こういう認知症の方を、ある程度症状が安定するまで精神科でお預かりすることがあります。しかし、一旦入院してしまうと、老人病院や老人施設よりも精神科病院の方が入院費が安いということが判り、家族が退院を拒否するようになります。
いつになっても帰れない認知症の患者様はそのうちその攻撃対象を職員にしてくるんですね。特にレビー小体型認知症の方や前頭側頭型認知症の方は暴力が出やすいので大変です。オムツ交換中に髪を引っ張られたり、蹴飛ばされたりはしょっちゅうなので、そういう方を看護する側は『病気のせい』と判っていても疲弊します。認知症は患った本人も、周囲の方も辛い思いを余儀なくさせるので、今後大きな社会問題になっていくでしょうね。
慢性期療養病棟での、閉鎖的な空気に嫌気がさした
異動前)精神科急性期病棟
異動後)精神科療養閉鎖病棟(慢性期)
42歳 男性 看護師歴15年
彼は一般病院の外科病棟から精神科救急病棟へ転職し、バリバリ仕事をしていました。精神科の急性期から異動で慢性期の療養閉鎖病棟へ移った途端、「もう嫌だ……あの閉塞感が耐えられない!やり甲斐も何もあったもんじゃないよ!」と訴えてきました。
彼の場合、慢性期の治療に対して不満があり、家族も非協力的なのでどんなに頑張っても目に見えた成果が出ないことに、行き詰まりを感じていたようですね。結局1年間は頑張ったものの、スーパー救急のある精神科病院へと転職をしました。
ここで解説!慢性期病棟の社会的入院とは?
急性期の治療は、一般科と大差ないほど忙しくて大変です。日々の業務も動きがあり、症状が改善すると劇的に良くなり退院する人も多くいるのでやり甲斐も感じられます。反面、慢性期の病棟では、それが感じられない方も多いようです。
精神科疾患のある方は、過去に家族に暴力を振るっていたり(中には殺人を犯した方もいます)しますから、家族やその周囲の方々から退院を拒否されたり、酷い場合は地域住民に『退院反対』の署名を持参されることもあります。そのため入院が長期になり、「社会的入院」を余儀なくされることが多いのです。
そういう方を受け持つと、世の中の理不尽さに直面してしまうんですね。「何のために看護をしているのかわからない」となってしまいます。
この世に存在している人間の分だけ、矛盾や理不尽さというものは存在している訳ですから、力を尽くしてもどうにもならない事だってあります。時にはその事実を受け入れなければ行き詰ってしまうのですが、真面目な人は、それが上手く出来ないのかもしれませんね。
精神科は万屋(よろずや)じゃない!何でもかんでも入院させて良いのか?!
異動前)精神科療養閉鎖病棟(慢性期)
異動後)精神科療養開放病棟(慢性期)
51歳 女性 看護師歴30年
彼女は看護師歴も長いベテランで、一般病院でも内科系から外科系と色々と経験しているために知識も豊富でした。年齢と共におちついて看護がしたいという事で精神科へ転職して来て、既に8年目でした。
彼女もメンタル的に落ち込みが激しくなり、私と面接をするに至りました。彼女は年齢的に更年期に突入しており、自分でも気分の浮き沈みが激しい事は自覚していました。ですが最近は特に一定の患者様と会話をしたくない、会いたくないと言うのです。話を聞くと、MR(知的障害)の男性患者様にしつこく付きまとわれており、仕事がスムーズにできないと言うのです。そのしつこさも尋常ではなく、ストーカーレベルでした。
「私が女性の患者様の処置をしようとしても付いてくるし、他の患者様の介助中にお尻に触ったりしてきます。いくら注意しても逆効果で、まったく改善されません。何故MRの方が此処にいるのかが疑問です。師長や他のスタッフも介入してくれているのですが、正直もう精神的に参ってしまって……」という事でした。
MRの患者様は行動修正が効かず、指導などはほぼ聞き入れてもらえません。病棟間トレードで患者様に移動して頂く事も考えたのですが、問題行動の多い患者様だと知られているので、結局は他の看護師が被害に合うだけとの事で、彼女を人事異動の際に療養開放病棟へ移ってもらう事になりました。
ここで解説!MR(知的障害)患者が精神科に入院することが増えている理由
MR(知的障害)とは言っても、ひとりひとり程度は様々で、診断も難しいとされています。そのMRがベースにある方で、精神疾患があるという理由で精神科に入院する方が増えています。MR自体は精神疾患には該当しませんので、治療も必要とされない訳ですが、専門の施設に入所していても問題行動が酷くて対応が出来ない場合などは精神科へ入院させられることが多くなりました。
以前は生活指導と称して厳しいしつけや体罰が黙認されていたようですが、それが容認されなくなり社会問題となっていることで、施設側も対応に苦慮した挙句、精神科に入院させるというある意味悪循環となっています。
きちんと規則正しい施設の生活に比べ、怒る人もいない、一日中寝ていても怒られない入院生活は、おそらく彼らにとって居心地が良い場所なのでしょう。特に優しい、何をしても怒らない看護師は格好の付き纏いのターゲットになり得ます。悪い事をしたらきちんと叱り、良い事をしたら褒めるという当たり前のことをしつつ、教育をしなければならないのですが、行き過ぎるとすぐに『虐待』だと言われるので、その匙加減がとても難しいのが現状です。
病院は教育をする場所ではありません。あくまでも治療をする場所です。しかし、施設も受け入れを拒否し、勿論社会に出て生活する事もままならないので、入院は長引き、より一層迷惑行為が助長されます。盗み、虚言(うそ)、セクハラ行為、暴力行為、自傷行為と、とにかく病棟内を引っ掻き回してくれるのが今やこの方々です。精神科が万屋化し、どんどん業務が煩雑化・多忙化しているのは、こういう患者様方を広く受け入れすぎているという問題があるのかもしれませんね。
アルコール中毒に薬物中毒…中毒患者ばかりで嫌になる
転職前)精神科急性期治療病棟
転職後)総合病院(整形外科病棟)
39歳 男性 看護師歴10年
彼は大学を卒業後サラリーマンとして働いていたのですが、看護師に興味を持ち一念発起して資格を取り、その後すぐ精神科に勤務しました。最初はやりがいを感じていたようですが、精神科のスーパー救急を経て急性期治療病棟で働くようになり、中毒患者の多さにほとほと参っていました。
「俺もパチンコするし、酒だって飲むけど、どうしてここまで依存してしまうのかって思う。『お酒飲みますか?それとも人間やめますか?』って言われて人間辞めた奴らばっかりだろ?」と、彼らしくもない、酷く荒んだ台詞を吐いて怒っていました。
それもそのはず、アルコール依存症や薬物依存症の患者様は、一旦良くなって退院しても、再度症状が再燃(またアルコールや薬にハマる)して入院する方がとにかく多いのです。どれだけ頑張って治療をしても、最終的にはまた戻ってくるのであれば、看護する側もがっくりと落ち込みます。その上、禁断症状が出ると、とにかく暴れます。私も昔は良く殴られました。そういう病気なのだと割り切ってしまえば何のことは無いのですが、結局彼はそういう現状が受け止めきれずに、一般病院へ転職してしまいましたね。
ここで解説!止められない止まらない…「アディクション」って何?
アディクション(嗜癖)というのは、何らかの原因で止めたくても止められない悪い習慣に耽ってしまうことを言います。それで言うなら、私などスイーツ依存症と言えるのかもしれませんが、最近はアルコール依存症、薬物依存症の他に、買い物依存症、ギャンブル依存症、セックス依存症、恋愛依存症、共依存、窃盗や放火など犯罪への依存まであります。個人的に最近厄介だと思うのは、パソコンやスマホなどのデジタル機器依存症でしょうか?
ある程度の嗜好であればそれは構わないのですが、依存症と呼ばれる人たちは、その習慣に耽って止められないことで、日常生活に支障をきたしてしまうという問題があります。小中学生のデジタル機器依存症の子供たちの合宿では、1週間スマホやタブレットに触れない生活が耐え切れずに、1日でリタイヤする子が続出だったとか……。
私はその話を知り合いのカウンセラーから聞いて、思わずヒヤリとしました。「それって私もマズいんじゃ?」……と。そしてそれから徐々にSNSからフェイドアウトし、今じゃスマホなしでも生活できる域になりました(自慢)。ある意味、スマホなどは現代社会の必需品ですから、そんなことを言ったら皆依存症という事になってしまいそうです。
きっと誰しも止められない何がしかを持っているのでしょうが、それが「日常生活に支障を来すようではダメ!」ということなのでしょうね。自分自身も戒めなければ!……です。
精神科での事故はトラウマになる。その厳しい現状……。
転職前)精神科急性期治療病棟
転職後)不明
28歳 女性 看護師歴7年
彼女は総合病院のオペ室を経験後、患者様と蜜に関われる看護がしたいと精神科を希望して転職してきました。そして、精神科勤務2年目でその不幸な事故は起こりました。彼女が夜勤の時に、女性の患者様が縊首(首つり)で自殺をしてしまったのです。
縊首の場合は、事件性が感じられなくても、医師の判断で警察に届け出るため、彼女は長い時間根掘り葉掘り警察に質問を受けていました。まるで犯罪者のようなその警察官の物言いに心底心が折れたと言います。第一発見者が彼女だったために、発見後の対応についても色々と言われてしまい、ただでさえ患者様の自殺を未然に防げなかったという自責の念がある上での警察からの心無い言葉……。彼女のメンタルの憔悴には測り知れないものがありました。
数回の面談の結果、彼女はしばらく仕事を休みたいとのことで休職しましたが、その後希望退職に至りました。「看護師としてやっていく自信が無くなった」というのです。個人的にも関わって何とか復帰を目指したのですが、結局東北の実家へ帰省しました。最近はかなり明るい声で連絡をくれるようになりましたが、まだ看護職に復帰はしていないようです。まだまだ若くて未来もありますので、彼女には無理をせず、のんびりとリハビリをしながら立ち直って頂きたいです。
ここで解説!医療事故の破壊力
看護師になる人は誰しも「人の命を救いたい」という理念を持って看護師になります。死んでもらいたいと思う人など、まずいないでしょう。ですが、医療上の死亡事故は誰もが直面する可能性があります。そしてその事故に直面した人は人の命を救う側の人間が誤って死なせてしまったという事実に打ちひしがれ、再起不能な状態まで落ち込みます。ある意味それは当然の事とも言える訳ですが、精神科の事故はかなりハードです。
患者が患者を撲殺、患者が職員を包丁で障害、うちの病院の外来にも、年に1人は刃物男が現れます。つい先日は、病棟ラウンド中に男性患者が他患(おばあちゃん)を拳で殴りつけ、しまいには椅子で殴ろうとしたので、私が咄嗟に止めに入りました。すると、今度は傍に座って書き物をしていた患者のペンを振り上げ、私の手にそのペンを思い切り刺したのです。個人的には久々の流血事件でした。
私は大したケガではなかったのですが、暴力を受けた年配女性の方が大けがで、最終的には硬膜下血腫にまで至ってしまいました。幸い一命は取り留めたものの、実はその後の後日談があります。
男性が振り上げた椅子を私が制止し、手にペンが刺さった状態で私が彼を抑え込みながら応援要請をしたのですが、その際、私が彼の上に馬乗りになり抑え込みました。すると彼は私に対して「過剰防衛だ!訴えてやる!」と家族を呼んでまた一騒動あった訳です。
彼に対し、「それでしたら、ペンを刺された時の写真がありますので、私も個人的に被害届を出させて頂きますね」……と言わせてもらいました。勿論、民事訴訟で慰謝料も取れるわけですから……。すると急に態度を軟化させ、「いや、俺は病気だから……」と病気を言い訳にしたのです。そういう言い訳が出来る時点で判断能力があると思わないのですかね?不思議です。
中にはこういう許せない患者もいるわけでして、看護師としては「やってやれるか!」という気持ちになっても仕方のない所です。要するに精神科は、社会の理不尽さを絵に描いたような場所でもあるのですね。そういう場所で起こる事故が、看護師の繊細なハートを打ち砕くことが多々あるのだという事も、頭の隅っこに入れておいてほしいと思うのです。
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精神科に看護師が転職して良かったと思える事もある
さて、ここまで精神科の内側……かなりダーティな部分を包み隠さずお話しした訳ですが、これだけ大変な精神科であっても、働いて良かったという意見もあります。そんな意見、もご紹介しましょう。
精神科の疾患を具体的に知ることで、頭の中の靄が晴れた
転職前)総合病院(整形外科・循環器内科)
転職後)精神科急性期病棟
42歳 女性 看護師歴20年
彼女は総合病院で病棟師長まで経験してきたベテランです。一般科で循環器内科も経験し、患者様が亡くなった時や後遺症が残った時など、患者様やご家族からのクレームに対応することが多く、疲弊してしまい、精神科へと転職してきました。
しかし、精神科で様々な患者様やその家族と接し、精神疾患や心理学について勉強していくにつれて、今まで自分が対応してきた患者様やその家族の気持ちの原理が解るようになったと言うのです。
自分は看護師になって本当に良かったのかとかなり悩んだこともあったそうです。そんな彼女が今まで悶々としていた気持ちが、精神科で働くうちに晴れたというのです。そして、仕事が忙しくても、とにかく働きやすい環境だとも言ってくれました。ある意味凄い事ですよね。
ここで解説!精神科はスタッフ皆がカウンセラー
精神科で働く看護師は、患者さんやスタッフに対して「あ……この人嫌だな、好きになれない」という感情を抱いたとき、それがどうしてかを自分で考える習性があります。良く先輩方に言われるのは、その相手に自分と共通している箇所があり、無意識にそれを自分が嫌っているから、相手の事も嫌いになる……という事です。他者とコミュニケーションが上手くいかなかったときは、「どうしてそうなったのか?」を客観的に見て反省します。要するに毎日が自己啓発作業の繰り返しなわけです。
その結果、精神科で数年働けば、自然に人の話が聴けるようになりますし、人の話に客観的な切り替えしも出来るようになります。要するにスタッフ皆がカウンセラーで、互いのメンタルケアをし合うとう形に自然になっている訳ですね。
ですから病棟の雰囲気が良い場所はそれが自然と出来ているということなので、精神科に働きやすさを感じている人は、それを肌で感じているからではないかと思うのです。
患者や家族・看護職員からも「ありがとう」と感謝されることにやりがいを感じる
転職前)総合病院(人工透析科)
転職後)精神科療養病棟(慢性期・閉鎖)
32歳 男性 看護師歴10年
彼はそれまで透析室で働いていましたが、機械的に仕事をこなすだけの日々に飽き、考えながら人と関わる仕事がしたいと言って精神科へ転職してきました。透析室には男性の臨床工学士(テクニシャン)が大勢いて、患者や女性の看護師は何か用があるとすぐにその臨床工学士に相談したり依頼したそうです。男性看護師としての自分の存在に、疑問すら感じていたとのことでした。
そんな彼が精神科に来ると周囲の対応は一変します。精神科にとって男性看護師はとても頼りになる頼もしい存在なのです。注射や処置一つでも、患者の所に1人で行くことは危険とされる方もいます。そういう時は、必ず彼が呼ばれ、処置が済むと「ありがとう」と言われることに内心喜びを感じたそうです。
中には「男だからってすぐに力仕事に駆り出される!」とそれを嫌がる男性もいますが、やはり男性と女性は根本的に体の作りが違います。女性には中々出来ないような仕事でも、男性だとすんなりこなせてしまう事だってあります。それを依頼されることは、素直にうれしい事だと彼は言っていました。
そしてある患者の家族に「こんな大変な仕事を文句ひとつ言わずにやって下さるなんて、本当に有難いことです。人として尊敬します」と言われたとのことで、凄く嬉しそうにしていました。やはり労いの言葉は大事なのだと思いましたね。
ここで解説!精神科看護の偉大さを知ってほしい!
精神科の看護師の仕事は日々戦いです。どれだけ頑張ったところで、そんなに簡単に労いの言葉はもらえません。でも、患者様やその家族と密に関わり、時には家族の悩みや抱えている問題にも触れ、アドバイスをする時があります。すると、誰にも話を聞いてもらえず、ただ孤独に悩むしかなかった家族からしてみれば、その人は救世主のように思える訳ですね。誰も自分の家族が精神を病むなど思いもしていなかったはずです。世間の目や親族からの心無い言葉に辛い思いをしていても、それを心から理解てくれる人などそう簡単にはいない訳ですから……。
どんなに大変な仕事でも、心からの「ありがとう」の言葉があれば、私たちも救われる……精神科はそれを実際に体験できる場所でもあります。
ただ、精神科の看護師は一般科の看護師から「医療的な処置の出来ない原始人」のような扱いを受けています。確かに医療的な処置は少ないですが、その分観察力と対応力は持ち合わせていますし、なにより普通の人が絶対にしないであろう汚れ仕事を懸命にこなしているのです。そういう影の部分に注目をし、労ってあげてほしいと思います。
100%満足できる看護などあり得ないと実感!やっぱり自分は精神科の看護がしたい
転職前)精神科療養閉鎖病棟(慢性期)
転職後)外科病棟を経て精神科療養閉鎖病棟(慢性期)へ再就職
32歳 女性 看護師歴11年
彼女は精神科で仕事をしていて、「このままここ(精神科)に居たら、医学的な知識が不足して看護師としてダメになる」と一般病院へ転職。そこで配属された脳外科病棟で3年間を経て、結局精神科へ戻って来た方です。
脳外科病棟で働く中、「やっぱり私がしたい看護はこれじゃない」と思ったそうです。不思議ともの足りなさを感じたとか……。だから精神科にUターン復帰した訳ですが、実は、意外にこういう方が多いのも精神科の特徴なのです。
ここで解説!精神科で求められる観察能力と判断力って?
一般科では、疾患についてのガイドラインが存在します。看護師はその疾患について、ガイドラインに沿った治療をアシストする立場になります。ですから、最悪上手くいかなくても『きちんと自分がやるべき看護はやった』と割り切ることが出来ます。
ですが、精神科には大まかな治療のガイドラインは合っても、それに沿った治療のみで症状が回復する人などほんの一握りです。頭の中(考えていること)が見えるモニターでもあれば別ですが、そんなものは存在しません。精神科ではガイドラインにもない、看護師としての観察能力と判断力が求められるということになります。ある意味究極の看護とも言えると、私は勝手に自負しちゃってます。
精神科も身体的な管理も両方学べて一挙両得!看護師としてのやりがいがある
転職前)総合病院の精神科
転職後)リエゾン病棟
36歳 女性 看護師歴14年
彼女は総合病院の精神科で働いていました。しかし総合病院の精神科は、精神病院から身体疾患を併発した患者様が転院したり、院内で一般の診療科に入院していた患者様が精神疾患を発症・増悪した場合に受け入れるケースが殆どです。入院が短期で一時的なものが多く、重症化すると精神科の専門病院へ転院してしまうため、物足りなさを感じていたそうです。
そこで精神科のリエゾン病棟へ転職したところ、精神科に関してもしっかり学べる上に、合併症である身体的治療についてもしっかり学べるので、業務量は多くてもやりがいがあるということでした。看護師としてのスキルアップが出来たと実感しているそうです。
ここで解説!リエゾン病棟の大変さとやりがい
総合病院の中の精神科で働きたいと思っている人もいるかもしれませんが、実は総合病院の中の精神科に関しては、あまり重症な方は受け入れられません。隔離室などで大声を出して騒がれると、他の科の患者様に迷惑がかかるからです。そのため同じ精神科でも仕事自体は楽な方なので、院内の異動だけで事足ります。せっかく精神科で働きたいと思っても、総合病院の場合、転職しても配属の希望は通らない場合が多いという現状があります。
反面、精神科のリエゾン病棟(時には合併症病棟と呼ばれる場合もあります)は、重い精神疾患を持っていても、身体的に治療が必要な方のケアを行います。精神疾患を患う方の中にも身体的な治療を必要とする方は多く、その場合、一般的な病院での入院治療は困難なケースが多く、対応できないのです。そういう方の身体的治療と精神科の治療を両方ケアするのがリエゾン病棟となります。
リエゾン病棟は精神科の看護は勿論の事、様々な疾患に対応しなければなりませんので、かなりの熟練した知識と手技が必要とされます。「今、この患者様にとって優先すべきは何なのか」を常に考えていかなければならないので、看護師としての技量も試される大変な病棟ですね。精神科と医療行為の両方を実践したいという方には、最もやりがいのある病棟だと言えるでしょう。
精神科のデイケアで、患者さまの生活に密着した継続的な関りができる
転職前)精神科クリニック
転職後)精神科デイケア
46歳 女性 看護師歴25年
彼女は総合病院で様々な経験をしたうえで、子育てをする上で日勤だけの仕事をしたいとのことで精神科のクリニックで仕事をしていました。しかし、精神科のクリニックでは患者様に関わる事は極端に少なく、注射や採血などの手技のみに留まる(それも件数は少ない)ため、物足りなさを感じていたそうです。
もっと患者様に関わりたいということで精神科のデイケアへ転職したところ、患者様の生活に密着して継続的な関りが出来る上に、その健康的な部分にも関わることが出来、とても楽しくてやりがいがあると喜んでいました。
ここで解説!日勤だけでも様々な関り方がある、精神科看護の色々
看護師も自分の私生活の事情で夜勤は出来ないという方が多くいます。そんな看護師が精神科の看護をしたい場合は、日勤だけでも様々な職場を選択することが出来ます。
1.精神科クリニック
入院設備がなく、通院可能な症状の軽い患者様に対応します。患者様はほぼ予約制なので、忙しさはあまりなく、採血や注射などを行います。
2.精神科デイケア
精神科の入院施設に併設されていることが多く、クリニック等が経営しているデイケアもあります。患者様は自由にデイケアに通所しながら単身生活を送るためのノウハウや、他人とのコミュニケーションの方法などを学んでいく場所(精神科リハビリ施設)になります。午前と午後の1日間通所するデイケア、半日のみ通うショートケア、デイケアに加えて夕方も対応するデイ・ナイトケア等があります。こちらも通所できる比較的症状の軽い方が対応ですが、隣接する診療設備があるため、患者様の症状の悪化にも対応してもらえ、安心して仕事が出来ます。
3.精神科訪問看護
通常の訪問看護よりも業務量は少なく、主に服薬指導や日常生活へのアドバイス、家族へのアドバイスがメインとなります。
4.精神科グループホーム
単身生活可能な方が共同生活を送る住居施設で、生活面でのサポートを行います。夜も職員が在中する施設と日中のみ職員が在中する施設に分かれます。しかし女性の場合は夜勤はないケースが殆どで、業務量も比較的少なめです。
5.精神科作業所・通所施設
こちらでは、患者様が自由に通所しながら、簡単な作業などを通して社会復帰を目指す場所となります。看護師が在中している施設とそうでない施設があります。
このように、精神科ではその患者様の症状によって、入院可能な病院からリハビリ可能なデイケア、訪問看護など、様々な形態で関わることが出来るため、看護師も自分が働きたい勤務形態を選択することが出来るようになっています。
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看護師として精神科に転職しても失敗しない方法
このように精神科と言っても急性期病棟から慢性期病棟、退院促進病棟や認知症病棟、身体合併症病棟など、病棟だけでも色んな種類があります。その他にメンタルクリニックや訪問看護ステーションなども、最近はかなり数が増えており看護師を募集しています。ですから、働く場所によっては仕事内容も忙しさも何もかもが違ってくるんですね。
自分がどういう場所に転職したいかを明確にする
精神科の業務量の多さや忙しさから考えると、概ねこのような構図になっています。
- スーパー救急病棟>
- 急性期病棟>
- リエゾン病棟>
- 慢性期病棟(閉鎖)>
- 慢性期病棟(開放)>
- 総合病院精神科>
- 退院促進病棟>
- クリニック>
- デイケア>
- 訪問看護>
- グループホームなどの社会復帰施設>
- 作業所
その規模の大きさや経営方針によっても忙しさは違ってきますが、前に行くほど忙しく、業務量が多いと言えます。その分残業なども多めですが、とにかくやり甲斐があります。
その反面、せっかく精神科で働くのだから、慢性期でゆっくりと仕事がしたい方は、「認知症患者さんばかりの病棟は嫌」「ADLが低い患者さんばかりの病棟は嫌」「薬物&アルコール依存の患者さんばかりは嫌」という意見もあると思います。
勿論、そういう勤務先を好んで選ぶ方もいますので、そういう場所が嫌という方は、配属をされる前にきちんと自分の希望を伝えた方が良いです。
クリニックやデイケアやグループホームなどは、仕事は比較的楽ですが、日勤だけのところが多ので、お給料は病棟よりも低めになります。訪問看護も同様ですが、就職の際に歩合制で契約をすれば、ある程度のお給料は見込めます。
精神科に転職する際に、やり甲斐を取るのか、患者様とじっくり向き合うことを選ぶのか、残業の少なさ等の業務量を選ぶのかはあなた次第です。精神科へ転職したいと思ったら、どういう所で仕事をしたいかを自分できちんと考えてから転職先を探しましょうね。
しっかりと教えてくれる先輩がいる所を選ぶ
精神科についてきちん勉強をしたいと思ったら、しっかり教えてくれる先輩のいる職場を選びましょう。前にも言った通り、精神科の症状はガイドラインや教科書を読んでも理解できません。ですから、患者様の症状や対応方法をきちんと教えてもらえるのが、一番精神科を学ぶ上では大切になります。
教育体制がしっかりしている職場を選ぶ
精神科の勉強は奥が深いです。学んでも学んでも次から次へと勉強したい事が出てきます。精神科看護協会では、本部や各支部がそれぞれ教育計画を立てて研修を実施しています。そういう院外研修へ組織を挙げて参加させてくれる病院や、自施設できちんと研修計画を立てて実践してくれている病院がお勧めだと言えるでしょう。
自分は他の人にはできない立派な看護をしているのだと自負することが大切
今も昔も精神科看護は看護師に人気がありません。医学的な処置を颯爽とこなし、バリバリ動く一般科の看護師に比べると、のんびりゆったりとしていて、ダメナースのように見えてしまうからです。確かにカッコ良い仕事ではありません。
ですが、この世から精神科の看護師が消えたらどうなるでしょう?それこそさながら世紀末です。看護師不足で入院施設が減少し、病気のために我を忘れた患者様が、治療を受けられずに世の中に溢れ出す……。そんな光景を想像してみてください。綺麗ごとなど言ってられません。社会規律は崩壊してしまいます。
本当はもっと精神科で働く看護師の地位向上を図るべきなのでしょうが、それが中々上手くいっていないのが現状です。(古くからの精神科の歴史がそうさせていたのです。)ですから、精神科で働くということに、もっと誇りを持って、他の人にはできない仕事をしているのだと自負して下さい。誰がなんて言おうと、本当に立派な仕事なんですから!
そして、これから精神科への転職を志している方……ベリーウエルカムです!どうぞいらしてください!あなたが精神科へいらしてくれることを精神科看護師一同大歓迎いたします。
どうやって良い職場を探したら良いのか分からない人は、転職コンサルタントに相談してみる
そして、希望する精神科の職場を探すには、実は転職サイトの転職コンサルタントに相談をすると良いです。精神科はそのイメージからか、自ら希望して病院見学をする人が少なく、転職コンサルタントを通して仕事の内容を確認してくる人が沢山いるからです。
そのため、病院側も転職コンサルタントに色んな情報を提供しています。病院の雰囲気だったり教育カリキュラムだったり、詳しい情報を事前に提供していますので、希望する条件を転職コンサルタントに相談するだけで、数ある職場の中から希望に沿った案件を提示してくれるので、とても便利ですよ。
実際に自分が行きたい病院を探すのは本当に大変です。少しでも良い条件で働きやすい職場を探すためにも、転職コンサルタントに相談して見ると良いですよ?
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執筆者情報
- ナースの楽園は、厚生労働大臣から転職サポート(有料職業紹介事業)の許可を受けた(許可番号13-ユ-314851)株式会社ドリームウェイが運営するメディアです。転職サポートの経験を活かし、定期的なリライトや専門書を用いたファクトチェックなど、ユーザーに正確な最新情報を届けられるよう努めています。
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